はりねずみの図書室

はりねずみが読んだり読みたかったりする本を集めた図書室です。

『ワークショップデザイン論:創ることで学ぶ』

 

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ

 

 

企業や学校・文化施設など、近年さまざまな場で活用される「学びと創造の技法」=ワークショップ。このワークショップとは、どのようにデザインされるものなのか、またその活動を持続可能なものとするにはどうすればいいのか。本書ではワークショップのデザイン過程を「企画―運営―評価」というサイクルで捉え、それぞれの段階を、理論をもとにわかりやすく解説。ワークショップを企画し運営する人のための必携書。

 

 

『声の文化と文字の文化』

人が文字を獲得していったことについて、「スマート化」の進む現代に、再度その意味を考えたい。

声の文化と文字の文化

声の文化と文字の文化

 
 

「書く」ことと、印刷およびエレクトロニクスの技術が、ひとびとの精神、文学、社会のうえにどのように影響を及ぼすか。本書は、文学と思考のなかにごく最近まで重く沈澱していた声の名残りをあとづけ、知的興奮をさそう新しい発見をとりあげる。その発見は、ホメロスの詩や現代のアフリカの叙事詩、およびその他の世界中の口承文芸に関するわれわれの理解を書き改め、哲学的、科学的な抽象思考の発生に関する新しい洞察を与えてくれる。

『メタフィジカル・クラブ : 米国100年の精神史』

当時のアメリカは、想像することしかできないのだが、様々な「役者」が議論を繰り広げたサロン的な場について知った時、興奮を禁じ得なかった。

メタフィジカル・クラブ――米国100年の精神史

メタフィジカル・クラブ――米国100年の精神史

 

プラグマティズム哲学は、米国独立とフランス革命を堺に、旧体制(アンシャン・レジーム)と断絶した世界に生まれた社会哲学の系譜にあると言っていいかと思う。人間を社会的な存在としてとらえる哲学者にはコント、フーリエベンサム、ミル、スペンサー等があるが、同じ19世紀のヘーゲルマルクスニーチェとくらべると、日本では周辺的な存在である。そのなかでもさらに扱いが低かったように思われるのが、本書が扱う米国プラグマティズムだ。しかし思い起こせば、哲学という日本語をつくった西周が紹介したのはミルやコント、ベンサムらであったし、西田幾多郎の『善の研究』には米国プラグマティストの影響が色濃い。

本書は、このプラグマティズム成立史としての米国精神史である。南北戦争奴隷制廃止論、進化論、確率論、鉄道大ストライキ、ソーシャル・セツルメント、言論と学問の自由をめぐる闘争など、もろもろの社会的出来事と思想が連動するありさまを躍動感たっぷりに描き、プラグマティズムの生みの親たる4人の哲学者の印象深い評伝がそこを貫く。その洞察と筆力は圧倒的と評され、米国読書界にちょっとした事件を巻き起こした。

4人のなかで本書がもっともページを割いているオリヴァー・ウェンデル・ホウムズは、日本ではいちばん馴染みが薄いかもしれないが、その法理学には興味をひかれるだろう(「法の生命は論理にではなく、経験に宿る」)。南北戦争では激戦を生き抜いて軍務を勤め上げ、30年に及ぶ連邦最高裁判事生活を経て94歳の長寿を全うした超人でもある。その彼と複雑な友情をむすんだ心理学者ウィリアム・ジェイムズは、不遇の論理学者チャールズ・サンダース・パースの天才を守るべく献身したが、パースは最後まで社会的には変人で終わってしまった。この3人よりやや若い教育学者ジョン・デューイは、主要な著作『経験と自然』をホウムズにささげ1776年にイギリスから独立して誕生した米国という新世界は、それ自体が思想史上の画期的事件だった。その独立宣言、憲法の理念、政治体制、民主主義の思想――すべてが哲学的な新しい問題を提起した。そして建国以来の知的営みがはじめて一個の哲学となったのが、このプラグマティズムである。だからこれは、まさに米国社会の根幹だ。ホウムズ、ジェイムズ、パース、デューイは、それぞれ異なる専門分野でこの思想を育てたが、それは波乱に満ちた建国の延長上にある「社会をつくる」作業だったと言えるだろう。とすれば、政治も経済も混迷するこの世界で、本書が役立つ可能性もあるのだろうか? 「それは定かではない」と著者は結びで述べているが、ひとつの思想の伝記として読んで閉じてしまうには、本書はあまりにも示唆に富んでいる。少なくとも、読後に芋づる式の読書や再読、あれやこれやがはじまり、あとを引くことを請け合いたい。

www.msz.co.jp

 

『民主主義と教育』

 
 

 

民主主義と教育〈上〉 (岩波文庫)

民主主義と教育〈上〉 (岩波文庫)

 

 

 

民主主義と教育〈下〉 (岩波文庫)

民主主義と教育〈下〉 (岩波文庫)

 
民主主義と教育〈下〉 (岩波文庫)

民主主義と教育〈下〉 (岩波文庫)

 

 

教育とは直接的な経験から出発し、これを絶え間なく再構成・拡大深化してゆく過程である。従って、それは子どもや学校の問題にとどまらない。とすれば民主主義社会における教育とは何か。教育に関する在来の学説をこの観点から根本的に洗い直し、デューイ自身の考え方を全面的に展開し世界の教育界の流れを変えた20世紀の古典。

 

『Graphic Recorder:議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

 

「グラフィックレコーディング」とは、会議やミーティング、あるいはワークショップやカンファレンスなど、さまざまな立場の人たちが集まる場所で行われる議論をグラフィックで可視化することで、より良い対話をもたらし、課題解決に導く手法です。本書は、この分野の第一人者 清水淳子さんを著者に迎え、これからグラフィックレコーディングを始めたいと思っている方や、自社の会議に課題意識を持っている方にとって、最適な入門書となることを目指しています。グラフィックを利用して参加者の目線を揃え、発言を促進し、課題発見〜アイデア創出に導くグラフィックレコーディングについての日本初の書籍です。

『インタビュー術! 』

インタビュー術! (講談社現代新書)

インタビュー術! (講談社現代新書)

 

雑誌や新聞、ノンフィクション系の本を眺めてみると、その多くはインタビューをもとに成り立っていることがわかる。その名のとおり「インタビュー」として扱われているものはもちろん、それ以外のものも取材や調査という形で人から話を聞き、まとめられたケースばかりだ。そんな身近にあるインタビューの舞台裏を、気鋭のフリーライター永江朗が軽快な筆致で書いたのが本書である。

前段では、インタビューに向かうまでの下準備からはじまり、話し手からどうやっておもしろい話を聞き出し、そしてどのように再構成して形にするかなど、インタビューする側からのテクニックを指南する。また、後段では、さまざまなインタビュー本を取り上げ、語り手と聞き手の思惑、読み手の好奇心を交錯させながら、インタビューを読むおもしろさに迫っていく。

「しょせんインタビューは虚構だ」と著者は言う。話し手の言葉は発表するスペースが限られているから100%生かされる訳ではないし、編集という作業の中で話の流れや言葉尻まで変えられてしまう。だからこそインタビューする側は話し手の本質を伝える技量を磨かなければいけないし、読み手もそのことを認識する必要があると著者は繰り返し説く。 

私たちは日常でさまざまな人間と接し、そこで見聞きしたことをまた違う人に伝えている。日々がインタビューの連続のようなものだ。そして悪意や善意によって対象の本質が歪められて伝えられてしまうことも多々ある。ウワサ話などはそのいい例だろう。そう考えると、本書は人と人とのコミュニケーションを見直すきっかけにもなるかもしれない。(斉木 厳)

『フィールドワークの技法:問いを育てる、仮説をきたえる』

 

フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

 

研究者・記者・ライター必携のフィールドワーク入門◆フィールドワークには言わく言いがたいコツがあって、マニュアル化などできない、と言われます。しかし本書は、著者自身の調査体験を自ら吟味しながら述べるという、「フィールドワークのフィールドワーク」とも言えるユニークなスタイルによって、この難問に見事応えました。二十数年に及ぶ研究と、初心者が抱く疑問を知り尽くした教育経験豊かな著者にして初めて書くことができた、究極の入門書です。フィールドに赴く前に、調査の最中に、そして研究をレポートにまとめるときに、繰り返し読み直し、新たなアドバイスを発見できる、フィールドワーカー必携の書となるでしょう。小社のベストセラー、佐藤郁哉著『ワードマップ フィールドワーク』の続編として、また佐藤他訳『方法としてのフィールドノート』の姉妹編。